共感∞つなぐvol.4|異彩を、放て。 福祉領域、拡張の可能性

こんにちは、福島就業支援ネットワーク事務局です。
今回の研修報告は先日1/18~1/19行われた「共感つなぐvol.4」の2日目の講演会についての記事です。

実は2日目の記事はまとめて書こうかと思っていましたが、「いわきの地域包括ケア「Igoku(いごく)」の報告のボリュームが大きくなってしまったので、別記事となりました。

さて、二日目の講演は株式会社へラルボニーのお二人、松田崇弥さんと松田文登さんによる

「 異彩を、放て。 福祉領域、拡張の可能性 」 という題目でお話しいただきました。

写真を見てお気づきだと思いますが、松田さんのお二方は双子です。

経歴がとても興味深く、福祉を学んだり、福祉業界で取り組んできた訳ではなく、

代表である松田崇弥さんは、大学卒業後都内の企画会社へ就職、副代表の松田文登さんは地元である岩手で不動産・建設業に就職していたという、2人の話を聞くまでは福祉とは無縁だったのでは??と思った2人でした。

実は2人には、「自閉症」と診断された兄がいる。

「お兄ちゃんだって、同じ人間なんだ」

そんな2人の思いが、ヘラルボニー設立に大きく関わっている事がわかりました。

(「異彩を、放て。 福祉領域、拡張の可能性」スライドより)

–偏見や誤解のない、よりよいバリアフリーな社会にしていく為にプロジェクトが立ち上がった–

そんな2人ですが、思春期だった中学時代に兄を拒絶していた時期があったようで、その時はまさに自宅内で別居状態だったとか。

2人はいづれ自閉症の兄をそして知的に障害がある人の可能性を感じるようになったそうです。

きっかけは2人の故郷である岩手県の「るんびにい美術館

(「異彩を、放て。 福祉領域、拡張の可能性」スライドより)

るんびにい美術館の作品に衝撃を受けたとお話しされていました。

発表でヘラルボニーの事業の説明がありました。

現在の事業とこれからの事業の説明。

どれも、福祉職の私たちの発想にはないとても刺激的なお話でしたね。

その中の一つ「MUKU」という活動がありました。

MUKUは知的に障がいがあるアーティストが描くアート作品をネクタイや傘、手帳などの様々なプロダクトに落とし込み、社会に出していくというプロジェクト。

その完成度がほんと素晴らしい。

売れなくてもいい、まずは高品質のモノをつくろう

この想いをコンセプトに、妥協をせず一流ブランドのモノづくりの技術をもちいて制作がされています。

シルクのネクタイは品質がよく、デザインも欲しいと思える可愛いデザイン。

作品(商品)は今はネクタイにとどまらず手帳など文房具にも広がっている。

福祉施設で制作されているたくさんの商品が安い価格で提供されているのを目の当たりにしたとき、障がいがある人の作品でも良いモノがたくさんある、価値を高めていきたいという想いはとても共感ができました。

今はその知的に障がいのある方のアートプロジェクトは工事現場の仮囲いにまで広がっていて、2人の発想がまさに今回の研修テーマでもある”無限”であるという印象を受けました。

この他にもいろんな事業のお話やこれからの事業の構想など、1時間半とてもワクワクしたお話を聞く事ができました。

これからの福祉業界に、この社会に新しい風が吹く、そんな「可能性」を感じた講演でした。

参加者も刺激を受けたようで、アンケートには「新たな可能性を感じた」「福祉が変わっていくと感じた」「価値観を揺さぶられた」などたくさんの感想をいただきました。

これからのヘラルボニーの活躍から目が離せませんね。

ヘラルボニーのHP

 

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この研修の後、福島県の「はじまりの美術館」さんのアーティストさんの新商品が発売されました。

アートが刺繍で細かく再現されていて、品質の高さに驚かされました。

 

 

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