令和6年度福島就業支援ネットワーク総会及び研修会(1日目)

こんにちは、福島就業支援ネットワーク事務局です。

令和6年6月7日、8日に福島就業支援ネットワークの総会と研修会を行いました。

新型コロナウイルス感染症も5類感染症へ移行され、昨年から集合型の研修に戻り、今年は福島就業支援ネットワークも設立15周年を迎えた記念イベントということもあり、とても豪華な講師陣をお招きして2日間の研修会を開催することができました。

参加者70名を超える超満員。会場は豪華なホテル。

初日最初のコマは、『鼎談|シナリオの無い本音~雇用率・報酬改定どうなる日本の就労支援~』

NPO法人全国就業支援ネットワーク代表理事の藤尾健二さんとNPO法人全国就労移行支援事業所連絡協議会 会長の酒井大介さんに登壇いただき、お二方の考えていることや全国で起きている障害者雇用の動向、就労移行支援事業所の実態などのお話を、NPO法人滋賀県社会就労事業振興センター 理事長の城貴志さんが聞き手としてディスカッション形式で鼎談がおこなわれました。

事前打ち合わせもほぼ無く、まさに本音でトーク、なかなか聞けない話を聞くことができた貴重な時間でした。

障害者雇用代行ビジネスのお話では、支援事業者、利用企業、利用者からのアンケート調査の結果の報告と実態のお話。また実際に利用された方のケースの紹介などのお話があり、福島にも支援事業者が参入してきているので、とても考えさせられる内容でした。

これに関しては賛否両論、色々な考えや意見がありますが、
「大事なことは、障がいの方々も私たち自身も、働くってことってなんだろうか、働く意味などをしっかり考えながら、就職の支援に限らず、障がいのある方と一緒に色んな作業をしたり、色んな活動をしていくことが大切」という言葉がとても印象的でした。

続いて全国の就労移行支援事業所の実態のお話では、地方の就労移行支援事業所の減少、都市部のみ増加、また利用される主な障害種別の移り変わりの歴史などの話がありました。

特に地方では就労移行支援事業所の相次ぐ撤退で、障がいある方の就労面のアセスメントする場所すらないという話がよく聞かれるようです。

今後福祉サービス全体に言えることとして、
国全体が少子高齢化で人口が減っていく社会の中において、人口に応じてサービスが減っていくことが当然の成り行きであるならば、既存の事業所の数も大幅に減っていくことが、当たり前のことなのかもしれないという中で、自分たちは自分たちの地域を見ながら一体どういうことをしていかなければならないかという部分を受け入れてしっかり考える時期に来たのだというお話が印象的でした。

お三方のシナリオのない鼎談は予測ができないワクワク感と、ここには書ききれない面白い話がたくさん聞けて大変有意義な時間となりました。

そして、休憩を挟んで2コマ目は『福祉の最前線 ~滋賀県の取り組み~』というテーマで

NPO法人滋賀県社会就労事業振興センター センター長の深津千景さんにご講演いただきました。

深津さんは福島は初来訪、自動車教習所にて普通自動車・普通自動二輪車の教官をしていたという異色の経歴をもち就労支援に携わっている方です。

滋賀県社会就労事業振興センターの活動を中心に、障害者雇用と福祉の取り組みについて紹介。
センターの設立背景や使命、具体的なプロジェクトや活動内容、地域ブランドの活用、企業との連携、障害者向けの研修や支援事業など、まさに最先端で多岐にわたる取り組みを詳細に説明していただきました。

深津さんの話の中で、
「地域の地場産業であったり、ITだったり、観光だったり、農業だったり、介護だったり、環境のことであったり、地域のいろんなことを一緒に解決していくという視点が大事だと思って活動をしている。地域が元気にならないと本当に仕事もないし、働ける場所もないという事になってくるので、地域を元気にするためにも障害分野だけではなくて、地域づくりという視点を入れながらいろんな課題解決をしていきたい」と話しており、競走馬のゼッケンを再利用したバッグプロジェクトや、農家とのマッチング事業など、地域社会と連携した実践的な活動が印象的でした。

とても中身の濃い初日。
この日の夜は懇親会もあり、たくさんの方が参加され、普段聞くことのできない話や支援者同士の繋がりを深めることができました。

(文・写真   福島就業支援ネットワーク 事務局 今泉)

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