A型事業所意見交換会及び研修会|令和元年

A型事業所意見交換会及び研修会

「A型事業所の実情と伴う課題」~A型が本来目指すべき運営・経営とは~

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みなさんこんにちは!

先日行われたA型事業所意見交換及び研修会での講演の報告です。

 

話題をご提供くださったのは、社会福祉法人こころん(常務理事 熊田芳江さん)から「A型事業所の実情と伴う課題」としてご講演いただきました。

A型事業の現状として、運営基準の見直しにより全国の約7割が赤字経営となっており、経営改善が求められていることはご承知のとおりですが、さらにそのうちの6割が新規事業、事業転換、商品開発までに至っていないという実態の報告がありました。

こうした中で、福島県としても10月には最低賃金が改定され、26円アップの798円に!

経営改善にも滞りがある中で、賃金はどんどん上がるということで、全国的に見られている

「閉鎖」がより身近な環境に感じてしまうほど、衝撃をうける内容でした。

さらに、閉鎖に至る原因にも触れられ、安定した運営がされないまま次々と事業所を増やしてしまい、人件費や設備投資にばかりお金を掛けてしまったために、運営が行き詰まるといった悪循環な運営事例もまだまだ多いようです。

そうした中でも、改善計画から立ち直った事業所から、同じ悩みを持つA型事業所に向けてのメッセージが紹介されると共に、「障がい者ビジネス事業所」の典型事例や「当事者の声」というより、「当事者の悲鳴」が生々しく大きなショックを覚えました。

「なぜ働くのか」

⇨人は社会的な生き物

⇨働くことで成長

⇨働くことで社会とつながる

地域生活者の一人であることに自信をもっていけるよう、ダイバーシティー(多様性)な就労という視点で、働きにくさを抱える人々の力を最大限活かし、一緒に働き、農福連携のように労働力不足の解消にもつながっていくため、行政と福祉が連携して多様な「働く」を支援するために、支援方法を明確にしていくことが大切だと熊田さんは語る。

(最後に)

彼らの働きたい思いに応える使命と、雇用を前提とするチャレンジングな事業に果敢に挑んだそもそもの理由をしっかり捉えているか、A型の本懐の部分を考えていくためにも、事業所同士の横のつながりはとても重要と締めくくられた。

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熊田さんの講演のあとは、グループワークと発表の時間です!

熊田さんより講演頂いた「A型の実情と伴う課題」で触れられた内容にリンクし、A型事業所として、より具体的な対応をしていく為に「何を実行」していくかをテーマに「収益向上」「福祉サービス事業としての支援力向上」に焦点をあて、話し合って頂きました。

グループ内ではこんなことが話し合われていました!少しご紹介!

・事業所で取り組む「仕事」にも種類があるが、内容別に課題を抽出して利用者さんにもしっかりと情報提供していく。(支援者だけが知っていても変わらない)

・どんな仕事にも「信頼」が重要。一企業という感覚で精度を高めて取引先としての価値を高めるために、品質向上を図っていく!

・作業効率を意識した行程見直しを実施する。

・自主的な努力だけでは好転はしない。事業所間の連携を作り気兼ねなく相談したり、具体的な対応策を共有しよう!

・どんな仕事でも、その先には「消費者」「地域」があるという事を事業所内で話し合っていく。

といった意見が多数聞かれていました。

話しの中には切実なこんな内容も!

・事業所内での支援者間の理解や疎通に不安がある。

・支援者が定着しない、一から全て伝え直すために相当な時間が掛かってしまう。

といった話題も出ていました!

まさに、こういった切実な状態を吐き出せる環境も必要だと実感!

自分たちの事業所がどういう状態か知っていることは、本当の意味で強いと思います。

笑い声もあり、当然ながら笑顔もあり、普段とは違った環境でも構えること無くグループで話し合えた時間はとても貴重なものになりました。

文:福島就業支援ネットワーク理事 小松直良

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